チェスソフトとの対戦 について

1997年、チェス世界チャンピオンとスーパーコンピュータとの公式戦での

戦いが行われ、スーパーコンピュータ『ディープブルー』*1こと機械が

初めて人間に勝ち、それまで言われて来た 「機械は人間に勝てない」 という

常識を2勝1敗3分という成績で覆した。

またパソコンの計算能力向上により今では家庭用ソフトで世界のトップ

プレイヤーに匹敵するほどのチェスソフトも数多く誕生している。

これらは我々にチェスの定跡を学ばせてくれたり、難問等を解説してくれたり、

その力を魅せつけてくれたりと棋力を向上させてくれたり、逆に我々に対して

問題を残して行ってくれたりと、何かと話題を呼ぶ存在であると思われる。





いきなりだがここでangeは  チェスのソフトには強いものがある。

機械が発展してるこれから先人間は機械に勝つことなどない。

などということを言いたいわけではない。

angeは自分と同じくらいの実力の相手(ソフト)に対して

自分の実力の向上をものさし上で見ていきたいのだ。


だが今現在  極端に強い・強い・ 普通 ・弱い・極端に弱い   といった感じで

そういったものを見つけられずにいる。

あっても序盤は定跡手。  好手はあるが面白い手は無い。

当たり前といえば当たり前なのだが、それを求めるならば人間相手に

すればできることなのだ。



99%勝てない・・・。  まともにやればまず負けない!!!

そういうものではなく3回やれば1回勝つ。  調子がいいと勝つことができる。

ソフトとの対戦だからこそ力に波が無く、同じように好きなときに相手をしてくれる。

欠点もあれば利点もある。  それがチェスソフトとの対戦だと思う。





そんなチェスのソフトだがそれらは我々に多種多彩な影響を与える存在で

ある事には変わりない。  angeは強いソフトとも対戦もするし、弱いソフトも

パソコン内に取り込んでおりこれもまた対戦する機会が存在する。

では弱いソフトとも対戦する意味はあるのか?!  という疑問が生まれる。

強いソフトにはうまくなりたいという意味を持つ。

そして歴代の棋譜・辞書に優った時の喜びはいつも以上のものとなる。

弱いソフトとばかりと打ってもうまくなることはできるのか?

勝てて当たり前、それが面白いチェスであるか?





答えは一つ!

うまくなるためである。

そして、

弱ければこちらも弱くなればいいのだ。



これはどういうことなのか。

すなわちこちらで決め事(ハンデ)をすればいいのだ。

angeがいつも行ういくつかの決め事がある。



  ・こちら側は1手に対して持ち時間が5秒以内。
(好手を時間をかけず瞬時に導き出す)


  ・キャスリングしない。
(防御強くなる)


  ・プロモートしないでチェックメイトで勝利。
(ポーンエンドではなく早期に勝負づける)




これを複数同時に行うことで(1つだけでも可)ソフトの強さはレートにして、

100から200は上がるだろうし、またこれは実戦でも必ずと言っていいほど

必要となってくる技術だと思われる。



そもそも弱いソフトとやるなんて面白さを求めないとやることは無い。

ということで技術の向上とは関係ない決め事として、



  ・アンパッサンもしない。


  ・同じ駒同士での駒交換は仕掛けない。


  ・ポーンを多数残す。 そして同じ駒を多数作る。(ナイト8個等)


  ・効きがあるということだけを使用して、クイーンは終始動かさない。
    但し絶対守らなくてはならない等のときは止むなしに動かすことは可能。


  ・ポーンの移動はd列とe列のみとする。 そこからすべての駒は展開する。
    但し絶対守らなくてはならない等のときは止むなしに動かすことが可能。



とても弱いながらとても強い、いつものチェスでありながらいつものチェスでない

チェスを行うことができる。





決め事やハンデを設けること自体は対人間であっても面白いと思うし、

その相手が今その対局においてこの決め事を、自分の姿勢として自分の中で

設けていることを知っているか知らないかによってまた違ってくる。

またこれは相手にとってはまったく普通の対局であるため文句の一つも

言われはしないだろう。(多少疑問は生じるが)



ただこれらはあくまで弱いチェスソフトを自分といい勝負ができるように

する手段であり、

人間が気持ちの持ちようで打ち方が変わるよう、

チェスソフトとの対戦において、気持ちの持ちようでソフトは変わる。

強いだけがソフトではない。


ということである。











*1 IBMが1989年に開発を進めた1秒間に2億手を検索し、3分間で

14手先まで読むことができるチェス専用のものとして造られた。



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